■グレープフルーツの、ゲフンゲフン。
会社のボスもグレープフルーツジュースで作ってみたそうです。美味しかったそうで良かったんですが、パイナップルジュースは爆発したとの事。たしかに内圧が上がると爆発するので注意が必要です。
僕はいつも2リットルの炭酸飲料が入ってたペットボトルで作ってます。なにせ頑丈。以前はガラスの瓶を推奨してましたが、ガラスの瓶はキャップが金属なんですよね。すると、果汁の酸で溶けちゃうし圧力による変形にも弱い。瓶が変形しない分、キャップに圧力が集中しちゃうからね。
と言うわけで、注意点を書いておきます。[関連] 密造酒の作り方。
・圧力に負けない容器を使いましょう。
炭酸用ペットボトルを推奨します。うっかりキャップを締めて発酵させても、ペットボトル自体が膨らんで結構頑張ってくれるので安心(もちろん発酵中に蓋を閉めるのは厳禁なんだけど)。
・発酵が落ち着いてからキャップを密閉する。
仕込んで3日経っても、まだ盛大に発酵してて泡が出てるうちはキャップを閉じちゃダメです。じゃないと爆発します。通常3日程度で発酵が落ち着きますが、糖度や気温によって変わります。
キャップを閉じたら冷蔵に入れておくと良いでしょう。酵母も沈んで酒が透き通るし、発酵が停滞します(常温にするとまた発酵します)。
・たまにガス抜きすると良いです。
キャップを密閉した後、ペットボトルを触って異様に硬く膨らんでたらキャップをゆるめてガスを抜いた方がいいです。じゃないと、実際に飲む時に口から吹き出しちゃって面倒くさいし、下手すると爆発します。
・口のギリギリまでジュースを入れない。
容器の口ギリギリまで入れると、キャップを開ける時に吹き出してきます。あと、発酵中、ジュースの種類によっては泡だってきて溢れてきます(パイン、桃に注意)。粘度が高い果汁には注意です。液面とキャップの間に空間を作りましょう。爆発防止にもなります。
・砂糖を入れすぎない。
砂糖を入れるとその分アルコール度数が高くなってお得ですが、入れすぎると扱いが面倒になります。発酵にも日数が必要になるので3日程度では発酵しきらないかもしれません。僕は砂糖を入れずに作ってます。管理が楽だから。
・お勧め果汁。
ズバリ、リンゴジュースです。理由は扱いが簡単だから。流石シードルとして広く作られてるだけあって作りやすいです。そして、安い。だいたい1リットル100円で買えます。トロピカーナなどではなく、安いジュースの方が上手くできます(果肉とか入ってないクリアタイプが望ましい)。
桃も美味しいんだけど、ちょっと高いし果肉とか入ってると発酵中ぐろいんですよね。茶色く変色して層になるから。リンゴは、簡単、安い、美味いというわけで最高です。柑橘系は出来上がりが苦くなるので、好み次第ですが、僕はあんまり作りません。
・酵母はワイン酵母で。
仕込みに使う酵母はワイン酵母がお勧めです。昔、パン用の酵母(ドライイースト)で仕込んだ事あるんですが臭いがきつくて残念な味でした。酵母にも得手不得手があるみたいです。東急ハンズとか、ビール造りキットを売ってるようなホームセンターで買えるでしょう。
・2回目からは簡単に仕込めます。
1回目が出来上がって全部飲むと、ボトルの底に茶色い澱が溜まってると思います。それが酵母です。大事なので水で洗い流してはいけません。そのまま、そこに砂糖とジュースを流し込んでキャップをして振れば2回目の仕込みは完了です。キャップをゆるめて窓辺にでも置いておきましょう。以後、酵母の補充は必要ありません。勝手に増えるから。
ボトルの汚れが気になる場合はジュースをちょっと入れて振り、酵母をジュースに溶かしてから奇麗なボトルに移して下さい。で、汚れた方を奇麗に洗えばいいです。
2,3回試行錯誤しながら作ってみれば、大体どんなもんか判ってくると思います。段々と、一生懸命に働く酵母が可愛く思えていく事間違いなし。天気が良いと、「ああ、今日もたくさん発酵するんだろうなぁ」なんて嬉しくなってしまいます。
そんな楽しい発酵ライフ。あなたも始めてみませんか?
↓夏の酒造りに関する注意点を書きました。主に爆発注意報。
密造酒の作り方。その3。
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