Keijiweb ver 6.24 - 葬儀一式の値段

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■ 葬儀一式の値段 2013年01月24日
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1/14 0:56に母が亡くなりまして、1/17の11:56に火葬、葬儀も埋葬も全て終わりました。という事で、記録として掛かったお金などを書いておこうと思います。

遺体搬送

母が入院していたのは鴨川市の亀田病院です。病院で亡くなると、まず点滴など体に付いている医療器具が外されます。これは病室で行われ、次に霊安室の横にある処置室に運ばれます。ここで体を綺麗にしてくれます。ずっとお風呂に入れずフケが溜まっていた髪の毛が綺麗に整えられ、薄く化粧もされていました。服も本人のものに着替えさせてくれます。

そして霊安室にある小さな祭壇に安置され、遺族と担当医、看護師長さんなどで焼香します。ちなみにここの部分は「死亡処置料」として1万円が入院費の請求書に入っていました。

亡くなってから2時間後、ここでようやく遺体搬送となります。「当番」で常駐している葬儀社が遺体搬送の処置を行います。当番の葬儀社はいくつかあるそうですが、その時は鴨川市周辺ではメジャーなA社でした。他の会社の場合については判りませんが、以下はA社にお願いした場合の話となります。

まず遺体をくるむためのシーツ、布団、枕。枕の芯はダンボールで、シーツも枕カバーも布団も化繊で出来たペラペラなものです。ストレッチャー布団と呼ぶそうです。原価は2,000円程度かなと予想。それが15,750円。搬送作業料が10,500円。自宅までの搬送はストレッチャーをそのまま載せられるエスティマで運び、10km以内(実測で7kmくらいです)という事で18,900円でした。

合計で55,150円が亡くなってから遺体が自宅に到着するまでに掛かった金額です。決して安くはありません。が、深夜にストレッチャーを載せられる車を手配するのは無理だし、それが出来る人間もいないのでここまでの55,150円はやむなしです。でもストレッチャー布団で15,750円ってのはちょっと納得いきません。

あれよあれよという間に、流れされるように事が進んでしまったので抵抗できませんでした。お金の話も、聞くには相当勇気が要ります。が、払うのが自分ならちゃんと聞いておきましょう。搬送も自分で出来ないか考えたのですが、なにせ実家の車は軽自動車。ちょっと無理、という結論になりました。

葬儀の値段

葬儀については兄と母と僕で「無駄なことはしない」というコンセンサスがあったので、無駄は省くことにしました。火葬は法律上しなきゃならないし、お寺の墓に入れる以上は宗教儀式も最低限は必要です。そこで葬儀社に依頼する最低限のものとなると、

・骨壺
・棺
・霊柩車による火葬場までの搬送

となります。全て葬儀社から提示された選択肢の中から最安のものを選びました。先に値段を書いちゃいますが、

・骨壺→15,750円
・棺→52,500円
・霊柩車による火葬場までの搬送→24,150円

となりました。でも実は、棺とさっき出てきたストレッチャー布団はAmazonで買えます。



セットで2万円切っちゃうわけですが、送ってもらって火葬の日までに届かなかったら困りますし、納棺に関するノウハウがないのに棺だけ買っても困るだろうということで葬儀社に依頼しました。ついでに言えば、骨壺は樂天で買えたりします。



まぁ、大きさや細工なんかを考えると16,000円弱というのはそこそこ妥当かなと思います。棺の5万円ってのはちょっと高いかな。どうせ燃やしちゃうものなんだし。

これに、位牌が2,600円と運営諸経費が31,500円掛かりました。運営諸経費ってのはおそらく僕らの担当になった人の人件費でしょう。色々教えてもらったり、なんでもかんでも省こうとする僕ら相手によく仕事をしていただきました。仕事なんだから当たり前といえばそうですが、親身になって相談に乗ってくれた点は感謝しています。4日分の人件費と考えれば妥当です。少なくとも法外ではない。

という事で合計は約17万円でした。イオンの火葬式が約20万円なので相応な金額かなと思います(といっても棺や骨壺なんかはもっと安く出来そうですが)。

父親の葬儀の時も同じ葬儀社で、その時はなんだかよくわからないままに葬儀パックみたいなものを使い、確か40万円スタートで色々足していって返礼品のお菓子なんかもかさんで90万円以上、100万円くらいは掛かったと記憶しています。その時の葬儀費用は僕と兄で折半し現金一括払い。香典は全て母に渡しました。

今回は、通夜と告別式を省き、遺影は自分で作りました。前回は遺影も葬儀社に作ってもらって5万円くらい掛かったと記憶しているので自分で作りました。費用は190円。また、火葬場での待ち時間用にお茶やお菓子を持って行き、おにぎりも自分たちで作って持っていきました。呼ぶ人数は少なめに絞り、香典のお返しも自分たちで個別に送ると決めました。全体的に、手間は惜しまないけど支払いは抑えるという方針です。


ドライアイスの値段

そうそう、遺体を保存するために使うドライアイスですが、10kgで8,400円と言われたので断りました。樂天で買えば半額以下です。



亡くなってすぐに注文すれば、冬なら傷む前に届きます。今回は、亡くなって夜が明けて14日の昼に注文してその後すぐに発送され、次の日の15時に届きました。三重からの発送で千葉県の房総まで24時間で着きました。ちなみに5kgで2400円でした。夏だともっと盛大に使う必要があると思うので、日をずらして10kgずつ買うとか良いんじゃないでしょうか。届くまでの1回目は葬儀社のドライアイスで、あとの追いドライアイスは樂天で買うとか。なんにしろドライアイスはネットで安く手に入ります。

なお、ドライアイスは板状のものをタオルでくるんで半分に割り、遺体の胴体を冷やすように置いて下さい。内蔵が傷むのを防止するために入れるものですから。
(と、葬儀社の人が教えてくれました。良い人でした)

流石に5kgのドライアイスで3日半保たすのは無理があったのか、出棺の時に花を置くシーンではやや死臭が漂っていました。でも、それこそが「死」かなと思います。そういう事を言うと「死者への冒涜だ!」と思う人もいるかも知れないけど。現代の葬儀は死を美化しすぎです。死ってのは本来、惨めで汚くて臭くてみっともないものでしょう。それを「死が怖いから」と美化しすぎるのは、いつか自分もそうなる生き物の一個としてズルイなと思うのです。なお、死臭ってのは大体、濃いおならとか沼とか傷んだ貝類とかそういう臭いに似ています。

漂う死臭と線香の煙が混じって、まさに死の匂いがしました。ああ、この人は本当に死んだのだなと思いました。僕はどうにも涙もろくて悲しい事があるとすぐに号泣するのですが、葬儀と火葬の日は一滴の涙も流しませんでした。それまでに死を受け入れられたからだと思います。

お布施

僕は葬式仏教に一片の価値も見いだしていないのですが、一応父の遺骨も入ってますので遺骨を墓に納める以上は最低限のお経は必要という事になり(※)、お墓があるお寺の住職に来てもらいました。法名を付けてもらい、位牌に文字を書いてもらう(この辺も僕らにとってはどうでもいいんですが、ルール上外せないそうなので従いました)。お経は出棺、火葬、葬儀と納骨の3回。

普通は亡くなってすぐ、通夜、告別式、納棺、出棺、火葬、葬儀、納骨、四十九日などなどあらゆるシーンで読経という事になるのでしょうが、極力少なめにしました。なぜなら、お布施を少なくしか渡せないから。恩は感じてますし、いい人だとは思ってますので具体的には書きませんが、相場よりだいぶ少なめです。だから、「気持ち」として手を煩わせる回数を減らさせてもらいました。

ちなみに「相場」ってのは法名に「院号」が入って文字が多いと50万円程度。法名が短い場合は30万円程度だそうです。これは多分宗派とかお寺によって違います。そこをベースに色々省いたことを加味して決めた「お気持ち」を渡させていただきました。

※・・・法律上は「埋葬」する場合は墓以外には埋葬できません。逆に言えば、散骨や自宅保管の場合は実は「埋葬ではない」ので墓に入れなくてもOKらしいです。もしお寺と関わりなく葬儀を行うなら、遺骨を「埋葬」は出来ませんので散骨や保管をする事になります。今回は埋葬するので最低限お寺と関わりを持ちました。が、僕らの宗教観としては「仕方なく」というニュアンスになります。

まとめ

最後ぼかしちゃったので全部でいくらとは書けませんが「40万円にはいかなかった」とは書いておきます。葬儀代とお布施、全部で20万円なのか30万円なのか39万円なのかはご想像にお任せします。多分、一度でも葬儀を仕切った経験がある人が見たら驚愕の金額です。

僕たちが共有していた根っこは「死者のために金を使ってもしょうがない。お金は生きている人間のために使うべき」という考えです。だから「葬儀という儀式」の最低限の体裁が整えばそれでいい。それだけ考えて葬儀を行いました。

僕と兄と僕の妻の3人で一生懸命に準備して気持ちを込めて葬儀を行いました。お金は掛けませんが心は尽くしたつもりです。大金を使ってホールを借りて盛大な葬儀をするのが良いのか(否定はしないが僕はやらない)。大きな花輪を葬儀社に注文して、そこに名前が出ていればそれで気持ちが伝わるのか?あんまりそうは思えない。気持ちがこもっていない花輪に、宣伝と見栄と義理以外の意味があるのか。大事なのは遺族の悲しみを共に感じ、考え、癒すことでは?

気持ちが伴わない追悼に意味は無いと思います。

誰のために葬儀をするのか?遺された「生きている人間の為」です。

葬儀ってのは結局「生きている人間の自己満足」でやるものです。

葬儀にお金を掛けるのか、心を尽くして手間を掛けるのか。

自己満足さえ叶って、気持ちが晴れれば葬儀なんてどんな形でもいいと思うのです。これを読んだあなたも、いつかきっと誰かの葬儀を行います。その時にこの文章を思いだして考えてみてください。

「どういう葬儀をしたら、自分や周りの遺族は納得出来るのだろう?」と。

その時には自分の気持ちを一番大事に考えてください。


追記

後日、親友と呼ばせてもらいたい友人から香典が届きました。「これで健康診断受けろ」と。もう、それだけで泣いた。


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