 現行バージョン DIY GPS Ver 1.2.5 http://diygps.net/
App Store http://itunes.apple.com/jp/app/diy-gps/id393724766?mt=8

DIY GPS Ver 1.3.0のテストをするために奥多摩の御前山(標高1405m)に行って来ました。いつもは一緒に行く妻が、「寒いからやだ」って言うので初の単独登山。単独は危ないから避けてきたのですが、まぁ御前山は一度登ったことあるし平気でしょ、って事で一人で行って来ました。
でもやっぱ一人は危ないですね。
遭難しかけました。DIY GPSのお陰で助かったけど。
その顛末の前にVer 1.3.0の新機能を紹介。長いので興味なければ読み飛ばしてください。
DIY GPS Ver 1.3.0の新機能
 ・設定画面をカテゴリ別に分けました。 ・地図一覧画面のuseボタンを大きくしました。 ・現在地表示のアイコンを大きく出来るようにしました。設定画面で現行のアイコンと大きいアイコンを切り替えられます。デフォルトはオフです。 ・速度を表示する機能を追加。設定で表示の有無を切り替えられます。デフォルトはオフです。精度はGPSの座標精度に依存します。あまり正確ではありません。 ・「設定>その他の設定」にGPS更新頻度を追加しました。大きい値にすると、その距離を移動しない間は現在地を更新しなくなります。高速移動中にGPSロガーを使う場合などに使ってみてください。通常は5mでいいかと思います。
・GPSロガー機能を付けました。ツールバーの左から3番目、これまでセンタリングのボタンだったものをGPSロガーの機能に割り当てました。記録されるトラックログは、設定でバックグラウンド動作をオンにすると細かく記録されます。
・GoogleEarthが出力するKMZファイルを読み込めなかったので読み込めるようにしました。内部のdoc.kmlの文字コードや形式がカシミールのものとは違っていました。
■補足説明 GPSロガー機能について ・ツールバーの左から3番目、人間が歩いているアイコンをタップするとトラック一覧画面が開きます。 ・新しいログ(トラックと呼びます)を作りたい場合は、画面右下の「+」を押してください。確認後、トラックの記録が始まります。 ・トラックはメイン画面で表示されている地図と関連付けされます。山など、目的地に行ったら地図を表示してから記録を開始してください。 ・記録中は、ホーム画面のアプリケーションアイコンに記録しているトラックのポイント数がバッジ表示されます。 ・トラックの軌跡はメイン画面の地図に紫色で描画されます。 ・記録を停止する場合は、トラック一覧画面でSTOPボタンを押してください。 ・記録中は、トラックの削除や新規作成ができなくなります。 ・一度停止したトラックにあとで追記することも可能です。その際、それぞれのトラックは区切りフラグで区切られるのでトラックの線が繋がってしまうことはありません。 ・トラックの記録中は、地図の切り替えは行えます。同じ地域を示す地図なら、そこにトラックが描画されます。 ・トラック一覧画面でトラックの名前の辺りをタップすると、トラックの表示及びエクスポート画面になります。 ・トラックはKMLかGPXでエクスポートできます。メールに添付してパソコンなどに送る感じです。
次はバックグラウンド動作について
■補足説明 バックグラウンド動作について ・設定でバックグラウンド動作をオンにすると、他のアプリが動いている状態でも、電源ボタンを押してiPhoneをスリープにした状態でもDIY GPSは裏で動きつづけます。 ・常に動くので、トラックを細かく取りたい場合はバックグラウンド動作をオンにしたほうが良いでしょう(GPSログのためにバックグラウンド動作に対応しました)。 ・トラックを記録しつつ、たまに画面を開いて現在地を確認するという使い方で、1時間に約20%のバッテリーを消費します。フル充電でおよそ5時間使える計算です。画面を開かなければもう少しもつと思います(地図を見ないんじゃDIY GPSを使う意味が無いですが)。 ・バックグラウンド動作をオフにした状態でもログは取れますが、DIY GPSの画面を表示させて現在地を受信した時だけ記録するのでトラックの軌跡は荒くなります(それでもまぁまぁ綺麗に取れますが)。バッテリーの消費は1/3、1時間に7%程度ですからフル充電で12時間以上は使えると思います(注:3時間しか試してないです)。 ・バックグラウンド動作をオフにすると、スリープやアプリを閉じてから復帰したときに、現在地の受信に時間がかかる場合があります。少し待てば受信されますのでお待ちください。これまでは精度が低い座標でも速度優先で表示していましたが、GPSロガーの導入により精度が低い座標は捨てるようにしたので受信に時間がかかる場合が生まれました。
バッテリーの残量、欲しいトラックの精度、携帯充電器の有無、現在地表示更新のレスポンスなど使い方や目的によって設定を切り替えて使ってください。多分、満足できる設定があると思います。
さて、御前山でのテストの様子です。
御前山実地テスト
この画像は、テストの時にDIY GPSで取ったログをパソコンに送ってGoogleEarthで表示したものです。

オレンジの線が実際に歩いた線で、左側、多摩川って書かれたあたりからスタートしました。境橋というバス停がスタートになっています。そのまま南に向かって、画像の下ギリギリのとこが御前山の山頂です。
山頂まではDIY GPSのバックグラウンド動作をオンにしてログを取りました。iPhoneをスリープ状態にしてもGPSが動き続けるので細かく正確なログが取れます。反面バッテリーを食います(1時間で約20%)。

この画像は、小型GPSロガー、M-241のログも重ねた様子。紫の線がM-241です。M-241はザックにぶら下げて使い、iPhoneは胸ポケットに入れていました。電波状況的にはM-241の方が良かったと思いますが、おおむね近い感じのログが取れたと思います。下山の時にオレンジが紫から外れてますが、これはバックグラウンド動作をオフにしたからですね。
山頂までのトラックログ 山頂までのログをカシミール3Dで表示したのが下の画像。オレンジだなんだと色が変わって判りにくくて申し訳無いですが、赤い線がログの軌跡です。

基本的には青い線のところを歩いていますが、途中、栃寄の辺りで以前通れなかった登山道に入りました。なのでそこは青い線からだいぶ外れてます。
トラックポイントの数は268。余計なデータを取るとメモリを食うので、距離的に近すぎる(設定で変更できます)データはログに記録しないようになっています。
山頂から下山のトラックログ 山頂で休憩後、今度はバックグラウンド動作をオフにしてログを取りました。それを同じくカシミール3Dで表示したのが下の画像です。

バックグラウンド動作をオフにすると、ホームボタンでアプリを閉じたときや、電源ボタンを押してiPhoneをスリープしたときはログを取らなくなります。GPSの動作も止めるので省電力になり、バッテリーの消費は1時間に7%ほどでした。
ログはDIY GPSの画面を開いて現在地が更新されたときに行われます。なので、しばらく歩いたらDIY GPSを開くという操作を行います。ある程度こまめに行えば、上の画像のようにわりとちゃんとしたログを取ることが出来ます。トラックポイントの数は92でした(92回DIY GPSを開いたって事ですね)。なお、歩きながら画面を見ると危ないので、画面を見るときは必ず安全な場所で立ち止まってからにしてください。
バックグラウンド動作をオフ、通信もオフにした場合の問題 ひとつ問題は、電池消費を抑えるためにWifiや3Gネットワークをオフにしていたのですが、それらをオフにすると現在地の更新にやや時間が掛りました。

バックグラウンド動作をオンにしている場合は常にGPSが動いているので、スリープから復帰してすぐに現在地が表示されてますが、バックグラウンド動作をオフにした場合は、新しい座標を得られるまで少し時間が掛り上の様な画面になります。10秒ほど待てば更新されますが、この待ち時間が嫌な場合はバックグラウンド動作をオンにして使うと良いかもしれません。
トラックの管理とエクスポート

トラックはメイン画面にも記録中の軌跡が描かれますが、トラック一覧でトラック名をタップするとビューアーになって表示されます。

紫の線がトラックです。ツールバーのKML、GPXそれぞれのボタンをタップするとデータをメール経由でエクスポート出来ます。

メールの本文には統計が表示され、ログは添付ファイルになります。
で、危なかった話

赤い○の中、黒い点線が本来歩くべき道ですが、少し行き過ぎてしまっています。ここで実は道に迷ってしまったのです。

沢沿いの道だったのですが、いきなり道が無くなってしまいました。はて、と思って沢を渡って進んでみると道は一応あるものの、橋は朽ちかけでした。

でもピンクのテープは色あせながらもあるにはある。あれ?道違う?と思ってDIY GPSの画面を見ると、若干ルートから外れてました。GPS精度の問題でも無いらしく、どうも本当に行き過ぎてしまったらしい。
そこで少し戻って、行くはずの方向を見ると斜面にうっすら人が歩いた跡がありました。そこで、その斜面を少し登ってみたのですが、どうもやはり斜度が一般登山ルートとは思えない。矢印の先の部分ですね。

そこでDIY GPSの画面を見ると、そこでも本来の道からは外れているし、そもそも本来のルートは谷を進むはずなので斜面を登るわけがない。それで北西の方を見てみると、谷にピンクのリボンが見えました。気付かずにあのまま斜面を登ってしまっていたら本当に遭難してたと思います。
登るはずのルートとは全然違うし、その先の等高線を見ると崖で他の尾根に移動するのもままならない感じです。自分で作ったアプリのテスト中に自分が救われるとは思っていなかったのですが、本当に救われました。こういう時パートナーがいれば、どこかで「違うんじゃない?」って言ってくれるので戻りやすいのですが、単独だと「戻る」って事を決めるだけでも大変で、「迷ったら戻る」って心に決めてる僕でもやっぱり戻るって決めるまでは少し時間が掛りました。
M-241のログ(紫の線)も重ねると、いかに迷いながら戻ったかが細かく判りますw。

単独で山に登ること自体あまり良いことではありませんが、そんな時でも「戻る判断」を下すサポートとしてDIY GPSが役に立つことが判りました。身をもって。
山を舐めちゃダメですね ルートに戻ってからは順調な登山でしたが、1000mを越えた辺りから雪道になって来まして。北側の斜面だから特に残っていたのでしょうが、まだ奥多摩の1400m峰じゃ雪なんて無いだろう、と高をくくってアイゼンを持ってきてなかったので焦りました。

もうちょいしっかり積もってたり凍ったりしてたらやばかったです。ホント、山をなめちゃいかんですね。12月の奥多摩は低山でもアイゼンが必要です。
山頂は天気も良く気持ちよかったのですが、流石に寒くてダウンジャケットを着てお昼ご飯。

温かい味噌汁が沁みました。ああ、遭難しなくて良かった。
遭難防止に、登山の記録を残してあとで楽しむ為に、DIY GPSVer 1.3.0は多分クリスマス頃リリースされます。お楽しみに。
現行バージョン DIY GPS Ver 1.2.5 http://diygps.net/
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