■ 帰ってきたので巡礼したよ。 2/2
デッカいばらきにK.O負け。


■正直なめてた。
 あのね。いくら人気があるっていっても流石に5時ならまだ食べられると思ってたんですよ。あと3食、合計5食くらい食べられるんじゃないかと、ね。甘かった、オレ。完全に読み誤った。そんなダメダメレポートを引き続きお楽しみ下さい。

茅場町から浦安まで(約12km)徒歩で帰りながら四店の吉野家をまわってみました。

ひっそり。
夕方5時。もう人はいない。


人もいない。
完売だそうです。_| ̄|○


茅場町店
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-4-6

 池袋での仕事が終わって駆けつけたのは茅場町。日本橋の隣の駅です。普段はこの駅で降りて仕事に行ってます。今日はたまたま池袋だったけど。

 なぜここに来たかというと、下調べをしてなくて、よく知らない場所では吉野家がどこにあるのか判らなかったのと、休日の茅場町は人が少ないからまだ売り切れないんじゃないかという読みから。

しかし、現実は無情でした。

5時を過ぎたばかりだというのに吉野家に人は無く、完売のポップが出ていました。


遅かったよ・・・_| ̄|○


 
「まぁ大丈夫だろう」という甘い読みは見事に外れました。しかし落ち込んでる暇などありません。僕はさっさと移動する事にしました。次の店は東西線を一個下った駅、門前仲町。

青くて綺麗な橋です
すでにライトアップが始まっていた永代橋を渡って中央区から江東区に移動しました。


混んでるんだけどなー。
人はいるけど。


実はありません。
店内にデカデカと掲示。


門前仲町店
〒135-0047 東京都江東区富岡1-10-8

結構混んでた
 茅場町から歩いて20分ほど。途中、松屋がありました。ここで牛丼食べてオチにしちゃおうかという誘惑にかられましたが、なんとかスルーして到着。店の前に例の看板はなく、店内も盛況。

「お、ここはまだ牛丼残ってる?!」



と思って店内に入ると、無情の看板がズドーン。

 カウンターに座っちゃったけどお茶を出される前だったので速やかに退店。すっかり夜のとばりが降りた街に飛び出したのです。

 次に知ってるのは西葛西店。そこまでは約8km。まぁ、適当に歩いていても何店か見つかるだろ、で、牛丼も食べられるだろう、まだ僕は甘い事を考えていました。

そしたら、

迷いました。どこだ、ここは。

道に迷ってしまいました。

 ココはどこ?私はだれ?、いや、オレはケイジ。それは知ってる。すっかり目的のルートを外れ、しかも吉野家は見つからない。

 僕の人生はいつもこうだった。適当に歩き出し、後で後悔する。でも、その後悔は反省に繋がらず、あとで同じ失敗をする。

いつだってそうだった。

 何度も同じ失敗をして妻を怒らせた。何度も同じ失敗をして「そこは痛いって言ってるでしょ!!」と、なじられた。


でも、反省はしなかった。


 愛想を尽かされたのか知らないけれど、妻は男を作って出て行き、僕は一人になり、川越から浦安に引っ越して、行政上も独りになった。


店内は混んでたけど。
弁当行列が出来てしまうほどの人気。


そりゃ無いよねぇ。
でも牛丼は完売。


西葛西店
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西2-23-9

葛西橋。 そんな事を考えながら、葛西橋を渡った。夜の荒川は黒く、広く、冷たい風が吹いていた。ここに落ちたら間違いなく死ぬ。死と直結した水面は僕を誘っていた。

恐かった。

とても恐かった。

出来るだけ手すりから離れて歩いた。

東西線、闇を走る。

 河口の方を見ると、東西線が水面に明かりを映して走っていた。毎日乗っている地下を走らない地下鉄はまるで夢の世界の銀河鉄道に見えた。

.....

 門前仲町店から
歩いて1時間半。西葛西の吉野家に着いたのは7時。当然牛丼なんて残っているはずもなく、おなじみの赤い看板が出されていた。

「当店で"も"、だな」

心の中で呟き、店内の盛況と真反対のココロのまま歩き出した。

次は、浦安。僕が住む街。


 マンションげな建物の下にあった。ゴメン、直感的に風俗かと思った。マニアックやなー、流石葛西だぜ、と思ったら普通に保育園だった。

たまってるのか、オレ。



浦安の吉野家も、



やっぱり完売。


お腹減ったので豚丼食べました。
クリックすると拡大します。




やなぎ通り浦安店
〒279-0002 千葉県浦安市北栄1-622-1

 茅場町から3時間。浦安に着いた。千葉県生まれの僕が、独りで暮らす埼玉から逃げ出してきた街、それが浦安。職場に近く。それでいて千葉県民。

僕にとっての約束の地。

 浦安の吉野家はいつものようにオレンジ色に光って僕を待っていた。店先には例の掲示があったけど、もういいんだ。

そう、もういいんだよ。

 
僕は店内に入ってカウンターについた。メガネが真っ白に曇った。温かい。外を歩いてる間は気付かなかった寒さに、今頃気が付いた。寒いところにいると寒い事には気付きにくい。

 温かさを知ってしまうと、寒さに耐えられなくなる。寒さを知ると、温かさに気付く事が出来る。人間は敏感なセンサーを持っているのに、知覚がそれを邪魔して鈍感に慣れてしまう。

寒い時、温かい時、それを絶対的に感じられる人間に、僕はなりたい。

「並とみそ汁、あとたまご。」

 そう注文すると、当たり前のように豚丼が出てきた。もう祭りは終わったのだ。シンデレラは去ってしまった。

牛丼が無ければ豚丼を食べればいいじゃない。

 
マリーアントワネットが言ったその一言でフランス革命が始まったと言われている。しかし僕は思うのだ。

豚丼ってウマイよね

と。

 そう。牛丼が無いなら豚丼を食べればいい。そんなに牛ばかり追わなくても良いじゃないか。浦安では豚丼が食べられるじゃないか。

牛丼も美味しいけど、豚丼だって美味しい。「食べられる丼を食べればいいじゃないか」。

豚丼を食べながら、そんな事を考えていました。


■まとめ。
浦安をつらぬく境川。

 牛丼は確かに美味かった。丸1年経っても変わらない味を提供した吉野家の努力は素晴らしいと思った。正直言って、エライ。でも、豚丼もうまかったのだ。それでいいじゃないか、そう思った。

 快調に牛丼の丼を重ねてニコニコのオレが証明書を持って写真を一枚って予定だったのに、思惑と外れてこんなノリになってしまったが、いいじゃないか。そんな事もあるさ。



 残ったのは二枚の「牛丼ファン証明書」と痛い足。でも、逆にこれで良かったと思う。僕が仕事をしている間に売り切れて食べられなかった分は、他の誰かが食べたのだ。いいじゃないか、それで。一人占めなんてよくないよ。分け合ってこその、宇宙船地球号の乗組員。

企画がうまくいかなかったからって負け惜しみを書いてるんじゃないぞ。



本心だぞ。本心。・゚・(ノД`)・゚・。。



泣くな、オレ。またいつか食べられる日が来るさ。

それまで、さようなら。そして、再見。


僕、待ってるから!君を、ずっと、待ってるから!!


おしまい。


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■余談
ガラガラですよ、すき家さん。
ところで。吉野家が売り切れ必至の牛丼で大混雑の中、夜の7時だっつーのに店内の客が一人しかいなかった

すき家の行く末が心配です。

すき家は普通に牛丼売ってるんですけどね。

まぁ、

僕は不味いと思う口に合わないので行きませんが。

おしまい。