2010年頃は1万円以上したようなポータブルソーラーパネルですが、2016年には5000円未満まで下がりました。チャイナパワーは全ての製品を安くします。
という事で購入したのが2016年の3月くらい。以来、ちょいちょい使ってきたので実用性などをレビューしたいと思います。
製品 僕が買ったのは『Anker PowerPort Solar Lite』という製品。ソーラーパネル2枚で15Wというスペックです。
箱。
悪くないですね。
キレイに梱包されています。ANKERは中国メーカーとしては品質が良くて信用しています。
たたんだ状態です。
開くとこう。
ポケット内に出力用のUSBコネクタが2つあり、2台の充電を同時に行えるように見えます。が、本当に2台繋ぐと供給電力が1/10になってしまいます。
繋いだ機器によるのかも知れませんが、充電は1台だけで行うのが無難そうです。
モバイルバッテリーをつなぐとこうなります。
ポケットに収めることが出来ます。
ポケットには小さなベルクロがあり、一応口は閉まりますがまったく安心感がありません。ザックなどにぶら下げるためと思しき輪っかが付いていますが、歩いてるうちにベルクロが外れて中身が落ちると思います。
改造 そこで、ポケットの口全体をベルクロでとめられるように改造しました。針と糸の仕事です。
これならポケットの中に入れたものが落ちることは無さそうです。
しかし、黒は熱を集めて熱くなります。これが真夏だとかなり熱くなるので、ちょっとスマホやモバイルバッテリーをポケットに入れる気になりません。熱でバッテリーが傷みそうです。
結局、ポケットに入れて使うことはほとんどありませんでした。無駄改造でした。
発電能力 で、実際の発電能力はどうなのかというと、5月の快晴でこんな感じ。
5Vで1Aを出力しています。つまり出力は5W。繋いだモバイルバッテリーはPowerIQ対応のものなので2.1Aまでいけるはずですが、ずっと1A前後でした。
ケーブルや充電器の組み合わせにもよるかも知れませんし、間に電流計を入れてるのが原因かも知れません。
でももし2.1Aでも5Vなら10.5Wなので15Wってスペックはなんなんだろうって気もしますが、1A出てれば充電は出来るのでまぁ良いとしましょう。
ちなみにこのモバイルバッテリーを使いました。
5,000mAhのモバイルバッテリーですが、1Aで5V、つまり5Wで充電すると5時間程度で満充電になります。ただしこれはよく晴れた日で、ソーラーパネル全体に日光が当たった状態でのこと。一部でも影になると発電能力が落ちます。
天気による変動も大きく、曇ると簡単に半分や1/10になります。夕方もダメです。よく晴れた日中でないとまともに充電できません。
なお、発電力のチェックにはUSB電力計を使っています。
影による発電能力の低下 面白いことに、ソーラーパネルの陰り方によって発電能力が大きく変わります。
パネル全体に光が当たった状態を100%とします。具体的な発電力は天気や季節によって大きく変わります。
パネル1枚が丸ごと隠れると50%に落ちます。
普通ですね。
面白いのは2枚とも一部が陰った状態。
この状態になると10%程度に落ちてしまいます。見た目は70%くらい陽に当たってますが、発電量は5Vで0.1A程度。0.5Wくらいまで下がります。全力の1割程度ですね。
ソーラーパネルを置く時は少なくとも2枚のうちどちらか全体が陽に当たるようにしなくてはいけません。となると、木が生えているような場所では厳しいですね。頭上が開けた場所でないとまともに充電できないでしょう。
モバイルバッテリーの充電に使うのが吉 もちろんスマホを繋いで充電することも出来ますが、電圧や電流が不安定なので直接充電するのは抵抗があります(スマホが壊れたら嫌だし)。
なので一旦モバイルバッテリーに充電して、その電力をスマホに充電させるというのがよいでしょう。
登山における充電 定着登山で日中テントの上や地面に置いて充電しておくのはいいでしょう。突然の雨や盗難の心配はありますが充電は出来ると思います。
ザックに付けて行動中に充電するのはほとんど無理でしょう。ザックに付けると太陽に対して角度が悪すぎますし、パネル2枚が陰ったときの電力低下が大きすぎます。
北へ歩いていれば発電するでしょうが、南に向かって歩いている時や、朝に東、午後に西へ歩く時は絶望的です。もちろん樹林帯での発電も期待できません。
こうなると、縦走登山などで実用性があるかどうかは?となります。
ソーラーパネル vs モバイルバッテリー 15Wソーラーパネルの重さですが、380g程度あります。なかなか重いですね。
同等の重さのモバイルバッテリーだと20,100mAhのものがあります。
iPhone7なら6回満充電に出来る容量です。登山で毎日100%から空っぽになるまで使ったとして6泊分です。6泊7日まではこの2万mAhの充電器で間に合います(多分もうちょいいける)。
それ以上になると更にモバイルバッテリーを持つか、ソーラーパネルと小型(5,000mAh程度)のモバイルバッテリーを組み合わせるかという選択肢が出てきます。
でもまぁ、充電できるか分からないソーラーパネルよりは、確実に充電できるモバイルバッテリーの方が利便性は高いですよね。
10泊するなら20,000mAhと13,400mAhを持てば足りるでしょうし。
流石に20泊あたりになるとモバイルバッテリーを4個も5個も持つのはキツイのでソーラーパネルの使用もやむなしという事になるかもしれません。でもやっぱり実際は、スマホは最小限にしか使わない様に工夫をした方がいいでしょう。
ソーラーパネルは結局、登山においては趣味の道具です。
ソーラーパネルはロマンです 以上のように、確かに太陽光を当てれば発電はしますし、モバイルバッテリーやスマホの充電に使えます。10時間直射日光を当てられれば10,000mAh程度のモバイルバッテリーは満充電になります。
ですが、天気が悪ければ発電できませんし、パネル全体に光が当たらなければ発電量が落ちます。
重さも大容量のモバイルバッテリーと同じくらいで、だったら天気などに左右されずすぐ使えるモバイルバッテリーの方が優秀です(しかも安いし)。
ソーラーパネルは欠点だらけです。
でも良いんです。ソーラーパネル、太陽光発電はロマンです。降り注ぐ太陽光をエネルギーに変えてスマホを動かす。そこにはロマンがあります。効率なんかクソくらえです。
山に登ってテント場で1日のんびり過ごしながらモバイルバッテリーやスマホを充電する。良いですね。
そういう贅沢を演出する装備、それがソーラーパネルです。効率を求めるならモバイルバッテリーを使ってください。
災害用として 災害時、電気の復旧って意外と早かったりするので、災害に備えてソーラーパネルってどの程度役立つのかなぁ?とも思います。ただ、避難所なんかでは充電用のコンセントが足らなくなったりもするそうなので持っていてもいいかも知れません。
災害時にすぐ持ち出せるように非常持ち出し袋に入れておくのは忘れずに。
|